司法書士と取り組んだM&A(失敗から成約まで)

司法書士と取り組んだM&A(失敗から成約まで)

スクエアワングループの加藤です。

先月に続き、中小企業のM&Aについて記事を更新いたします。

 

今回は、司法書士の先生からご紹介いただいた、介護関係の事業に関するM&Aを10月1日をもって取り纏めさせて頂きました。

 

本件の始まりは、弊社が一昨年主催した司法書士向けセミナー「M&Aに取り組んでみませんか?」に、都内司法書士事務所の代表先生が参加頂いたのがきっかけです。

懇親会で先生から、「実はM&Aを進めている法人があるが、思うように仲介が動いてくれていない」という不満を経営者が漏らしていたと。。。

 

次の日、先生より経営者の方にご連絡を頂き、早速ご面談する機会を頂きました。

話は早く、その場で「先生が紹介してくれた御社と進めましょう」と、弊社が契約を頂く運びとなりました。

 

ここで、司法書士にそもそもM&Aを相談しないだろうと思うかもしれませんが、そんな事はありません。約3割~4割程度が顧問税理士に相談するという統計で、その他の経営者は相談出来る相手がいないという回答が半数以上もいるのです。

ご紹介頂いた先生は、経営者の方と密にコミュニケーションを取られており、経営者の不満に気づき、弊社を紹介頂いたのです。

司法書士業務のみに囚われず、経営者の悩み、不安、不満に寄り添うことをされていた先生だからこそ、気づけたのだと思います。

 

さて、少し話はそれましたが、本件成約までには山あり谷ありでした。

 

ここからは、自分が犯した2つの失敗!

1つ目の失敗。

弊社にご依頼頂いた後、直ぐに大手不動産会社をご紹介させて頂きました。

話はとんとん拍子で進み、基本合意書締結を行い、DD、主要関係取引先との引き継ぎと進みました。そこで問題が。。

主要取引先である、本件事業継続にあたっては重要取引先である管理会社と、買主候補企業との間で、現行契約条件変更(手数料等)の交渉を始めてしまったのです。

これは、担当者としての大失態でした。

条件交渉をしたことで、管理会社がソッポを向き、譲渡企業のDDとは関係の無い事情でブレイクする結果となりました。

 

2つ目の失敗。

その後も、数社をご紹介させて頂きながら、自分の更なる失敗に気づくことになります。

それは、譲渡企業が望んでいない候補先企業を紹介し続けていた事です。

不動産付きサービス高齢者向住宅という事もあり、不動産事業者を中心にご紹介を進めていました。しかし、譲渡企業の経営者は、不動産の価値として評価をするような相手ではなく、事業そのものを評価してくれて、尚且つ、高齢者事業のため、医療関係が良いという希望だったのです。

それは、いくら紹介しても決まらないですよね!

 

そこで方向転換し、医療関係の会社にご紹介を進めて参りました。

そこで出会ったのが、今回ご成約することになる、関東圏で5店舗の診療所を持ち、訪問診療に注力し拡大していた医療法人でした。

この医療法人は、本件に出会う直前に、実際に土地を探し、高齢者住宅を建設する計画を持っていたのです。お話を差し上げた時には、「一言目がすごいタイミングですね!」と。

めぐり合わせのようなもので、そこからは、お互い望んだ相手ということもあり、6月中旬での面談から昨日の引き渡しまでは、ノンストップで駆け抜けた感じです。

 

案件成約に至るまでの過程で、ご紹介頂いた司法書士の先生には、主要な場面で譲渡企業の経営者との面談に同席頂いたり、後ろから経営者にアドバイスを頂いたりと、我々には到底出来ない信頼関係の中で、重要な後ろ盾を頂きました。

 

司法書士の先生からすると、M&Aは自分の専門分野では無いと思うかもしれませんが、

私自身が司法書士事務所で経験を積み、今はM&Aを担当する中で、今までの経験、知識が非常に活きていると感じております。

本件に当たっては、私の今までの経験、知識のフル活用でした。

例えば、以下のような点が私の経験が活かせた点です。

①各種契約書、議事録作成(秘密保持契約書、仲介契約書、事業譲渡契約書、議事録)

こちらは、雛形はありますが、お客様に応じてご要望をお聞きし作成する必要があります。

 

②譲渡企業の株主異動の調査

こちらは、本件事業譲渡ではありますが、株主総会の承認が必要となり、現在権限を保有する株主が承認する必要があります。この点、買主企業からすると、過去の異動から含めて、現株主が権限を保有しているのかかが非常に重要な点となります。過去の異動調査は、司法書士に取っては朝飯前でしょうか。

 

③登記関係

本件においては、不動産も含んでおり、引渡前に一部区分登記を行う必要がありました。

土地家屋調査士との事前調整、登記実行までの段取りを全て行いました。他には、引渡日当時の所有権移転、担保権設定、銀行との調整も今までの経験が活かせた点となります。

 

④利害調整、段取り調整、スケジュール管理

私自身、今までの経験が活かせた点の一番重要だ点は、利害調整です。

司法書士業務は、常に各関係者との利害調整、段取り手配、スケジュール管理が求められます。司法書士業務は、日付が決まった仕事が大半で、それに向けて全ての利害関係者を調整し滞りなく当日を迎えられる準備を求められます。M&Aに携わるまで、今までの仕事とは全く違うと考えていましたが、実際に取り組んでみて分かりましたが、④番で上げた経験、知識等は非常に活かせていると感じています。

 

長文となりましたが、

是非、先生方を必要としているお客様に対して、一歩踏み込んで取り組んでみてはいかがでしょうか?食わず嫌いと同じで、一度取り組んでみると、自分たちの重要性を認識出来るはずです!

『お客様が士業に期待していることは、その専門業務のみなのか?』

私は上記の問いかけを自らに言い聞かせ、今後も取り組んで行きたいと思います。

 

今後、司法書士の先生方の力が、中小企業をサポートする上では、必要だと思います。我々としては、今後も司法書士の先生方とM&Aにご一緒にお取組させて頂ければと考えております。今、中小企業のM&Aでは士業専門家のサポートを求めています。

お悩みの経営者様に、一言声を掛けてみてください!!

 

スクエアワン㈱加藤